2013年05月31日

スーパードクターK 真船一雄 第1巻 カルテ1◆炎の中の救出劇

新たなる神話の誕生、その名はK!!で始まる医療漫画の第1巻。
医療漫画にあるまじきハードボイルド医学伝説と謳った異色のマンガです。

かつてこの日本に――
不世出の天才と呼ばれた青年医師がいた――

出身地・生年月日等一切不明
日本の最高権威 帝都大医学部主席卒業
若くして国際レベルの活躍
執刀技術特Aランク

この導入部分で突っ込みたくなりますが、ぐっと我慢しましょう。
そんな瑣末な事でこのマンガの評価は下がりません。

で、次のページに見開きで

野獣の肉体に天才の頭脳――
そして
神技(しんぎ)のメスを持つ男
その名は・・・
K!!

と、おおよそ初見で見たら医療漫画には見えない導入部分です。
まぁそれもこの漫画の味ですので、黙って受け入れましょう。

第1話は双子の兄弟のお話です。
分かりやすい不良の弟が病気の兄をボコります。
ヤキ入れが甘いという事で、頬に傷のあるヤツが変わりにボコりはじめて・・・
そこに偶然通りかかったKが鉄拳制裁でぶっとばします。(もうここで普通の医師ではありません。

そして兄を寺沢病院に運び入れて、今後のストーリーに大きく関わる事になる高品と知り合います。
高品もこの時はペーペーの新人医師でした。

そこで高品に事情を聞き、慢性腎不全の末期的な症状で余命一ヶ月以内と診断を下すK。

双子の弟がいる事を知ったKは独自に動き出します。
弟は根っからの不良ではなく、反省の色も見せては居ますが・・・

バイクで走行中に工事現場に突っ込み全身に火傷を負います。
そこに偶然通りがかったKが(弟を張り込みしてたんだろうけどw
ドラム缶を片付けたりして助けて

弟の反省の言葉と遺言のような決意を聞き

「お前のその想い・・・・確かに兄に伝えよう!!」と手術をする事を決めます。

寺沢病院に運び込んで、「このオペはオレがやる!」と言い張ります。
このワードは今後何度も使われる名言です。
当然、病院関係者や院長は非常識だと騒ぎ出しますが、院長を締め上げて
「たわごとを聞いてるヒマはない!」と言い張るK

普通だったらここで警察呼ばれてしまいますw
それはさておき、看護婦達も強引さに気圧されてか素直に従って手術室に運び込みます。

高品も助手に入り、いよいよ執刀です。

術式は 兄の腎臓全摘出!! ならびに弟右腎摘出及び移植術!!

これを聞いて右だけ?と疑問に思う高品だが、Kは両方助ける気でそう言ったのでした。

並行して弟の火傷患部の植皮術を行う!!

と言い張り、高品は無理だと思うのでしたが、麻酔すらいらんと言い、針麻酔を使い神速で手術を始めるのでした。

K一族のお家芸とも言える「裸眼での血管・神経の縫合」も初めて披露されますw

一時間以内に腎臓移植を終えて高品はレベルのあまりの違いさに次元が違うと確信します。

高品は、「この男はもしかしたら・・・・神か・・・・!?」とまで思います。

Kは10時間は掛かる手術を3時間足らずで終えて颯爽と手術室を出ます。

二人とも助かったのを確認してから高品に
「オレの名はKAZUYA・・・・どこの病院にも勤務していなければ誰に教わったものでもない」
と自分の技術を卑下するかのような口ぶりで意味深な事を言い、表の医学界に出て行く気も無ければ興味も無いと言い張り高品のもとを去ります。

手術の術式についてですが、通常の腎臓移植術におていは提供される腎臓は通常の位置とは全く違う場所に埋め込まれます。
移植される腎臓は、腹部の右下辺りを10数センチほど切開して骨盤の中(腸骨窩)に入れられます。
移植後の合併症を防ぐ為にも、その場所がベストとされています。
腹膜を傷付けないようにして腹腔の外(後腹膜)にスペースをつくり、そこに腎臓をおさめます。
腎臓には「動脈」「静脈」「尿管」の3本の管があり、それぞれを「内腸骨動脈」「外腸骨静脈」「膀胱」につなぎます 。

KAZUYAは摘出していましたが、通常、腎不全の腎臓は機能していませんので、細胞が死んでしまい、小さくなっています。
そのため、摘出する事はありませんが、患者の腎臓に重篤な疾患がある場合は移植後の感染症予防の為に摘出した方がベターといえます。

大人の腎臓を子供に移植する場合は、血管の太さが問題になる事が多いので、大動脈や大静脈に血管をつなぐ事もままあります。

今回のケースは一卵性双生児の生体腎移植なので、何の問題もなくスムーズに移植された腎臓が働きますが、死体から取った腎臓の場合は、やはりダメージがありますので、機能が回復するまでに時間が掛かる場合もあります。
尿が順調に出始めるまで数日〜数週間掛かる事も珍しくありません。
当然ながら、その間は患者は人工透析で凌ぎます。

現在は免疫機能の研究も進み、組織適合性が多少悪い場合でも強力な免疫抑制剤を使う事で、移植された腎臓を正常に生かす事が可能となっています。

組織適合性の決定因子は、血液中の赤血球の型(ABO型)と、HLA(human leukocyte antigen:ヒト白血球抗原)という抗原の型です。

組織適合性は親子、兄弟、親族間などでは似ている場合があるが、全くの他人では数千分の一という非常に低い確率でしか一致しないが、同一の民族間などでは他民族間よりは10倍ほど確率が高まり、数百分の一ほどと言われています。
顔や体付きだけでなく、体の中身も血が濃いほど似ているというのは当然と言えよう。

HLA型のうち、臓器移植で重要なのは、「HLA-A、HLA-B、HLA-DRの3種類」
それぞれの型について両親から1つずつを受け継ぎ各2つずつ持っているので計6つとなります。
この6つの型のうち、いくつが一致しているかというとらえ方で適合性を考えます。
この中でも拒絶反応に特に関係するのはHLA-DRであり、DRを一致させることが最重要とされています。

組織適合性の重要度は臓器によっても違っており、肝臓の場合は完全に一致しなくとも移植がうまく行く事が多い。
重度の肝不全患者の場合は、免疫機能が弱っている為に適合性はそれほど重視しなくとも良いという考えもあったりします。
しかし、心臓の場合は適合性が一致しないと明らかに移植手術の成功率が下がるという統計結果があります。

HLA-DRの適合度は移植の成功率に重要なものであるが、一致していても拒絶反応が起こったり、長期の生着率が悪いなどの症状が出る事がままあります。
それは調査の方法によるという事が明らかになっており、抗血清を使った検査方法の場合は21タイプの種類しか無いとされるが、遺伝子タイプで調べると60タイプもあります。

重要な項目であるにも関わらず、この体たらく・・・

検査方法にも先立つものが・・・という事であまり進んではませんでしたが、現在は改善されているようです。

HLA-DRは完全一致を条件とすると提供者が非常に限られてしまうので、非常に似通ってるという程度で選出するのが一般的でです。

HLA抗原系
A B C DR DQ DP
A1
A2
A203
A210
A3
A11
A23(9)
A24(9)
A2403
A25(10)
A26(10)
A29(19)
A30(19)
A31(19)
A32(19)
A33(19)
A34(10)
A36
A43
A66(10)
A68(28)
A69(28)
A74(19)
B7
B703
B8
B13
B14
B65(14)
B62(15)
B75(15)
B72(70)
B18
B27
B35
B37
B38(16)
B3901
B3902
B60(40)
B40
B4005
B41
B42
B44(12)
B45(12)
B46
B47
B48
B49(21)
B50(21)
B51(5)
B5102
B5103
B52(5)
B53
B54(22)
B55(22)
B56(22)
B57(17)
B58(17)
B7801


Cw1
Cw2
Cw3
Cw4
Cw5
Cw6
Cw7
Cw8


DR1
DR103
DR15(2)
DR16(2)
DR17(3)
DR18(3)
DR4
DR11(5)
DR12(5)
DR13(6)
DR14(6)
DR1403
DR1404
DR14(6)
DR7
DR8
DR9
DR10
DR52
DR53
DR51


DQ5(1)
DQ6(1)
DQ2
DQ7(3)
DQ8(3)
DQ9(3)
DQ4
DPw1
DPw2
DPw3
DPw4
DPw5
DPw6



※本表は1991年に開催された第11回国際HLAワークショップ直後にWHO命名委員会によって決定されたもの。血清法による分類。
posted by しりうすぅ at 18:16| Comment(0) | スーパードクターK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月01日

スーパードクターK 真船一雄 第1巻 カルテ2◆闇の中の手術@

母親と小学生の男の子の何気ない会話から始まります。

エレベーターから降りて数分後にビルにヒビが入り始めます。
地鳴りのような音がして崩れ始めるビルで・・・

一升瓶の酒をくらってるおっさんと供に瓦礫の直撃を受ける母親。

奇跡的にも子供の方は無傷で助かりますが、おっさんは、瓦礫の直撃を受けて即死してしまいます。

そこに偶然居合わせたKが子供の声を聞いて助けに入ります。

「よく見ておけ これが死というものだ ほんの数分前まで生きていた人間も・・・・ 死んでしまえばその通りだ」

と言いながら瓦礫をどけていきます。

母親は初見の診たてでは頭と背中を強く打ち、瓦礫がわき腹に刺さってる重傷です。
しかも破片が体内に残っているので急いで摘出する必要もありそうです。

それはさておき、Kは瓦礫の崩れ方を見て手抜き工事と見抜きます。
流石は帝都大学首席卒業の天才、建築学にも精通しています。

母親の状態を見て泣きじゃくる子供に冷静に症状を説明し始めるK。

「人間の腸の組織は非常に弱い このままでは腸が壊死してしまう」
「それにまだ体内にあるガレキの破片が動脈にでも突き刺さってしまえば・・・・」
「大出血をひきおこす」

それを聞いて引きつる子供・・・
子供が冷静に聞いていられる内容ではありませんね。

そしてガレキに閉じ込められたままで手術をする事を決断します。

アームカバーに仕込んであるメスを取り出すK。
この時点で普通ではありませんが、スルーしてOKです。

子供が冷静にこんな所で手術をするのを心配し始めますが、そんな事を気にするKではありません。

何か使えるものは無いかと母親のバックを漁って裁縫セットを発見。
「ウム・・・・これは使える」と子供のたわごとなどどうでも良い雰囲気です。

子供に死を理解させるために、ガレキに潰されて即死したおっさんを教材にして、

「そこの男をよく見ろ それが死だ!!
「その男はもう人間じゃない ただの肉の塊だ」
「おまえの母親も放っておけばそうなるんだぞ」

と諭します。

おっさんの一升瓶に入っていた酒をメスと手に吹きかけて消毒。

針をピンセット代わりにして器用に細かな破片を取り出していきます。
16個のガレキをいりくんでる腸から取り出す作業は手術室で無影灯の光があっても手間の掛かる作業ですが、ガレキに囲まれた薄暗がりでの作業は更に困難を極めます。
術野を確保する為に必要な血液を吸い取る吸引器やガーゼもありません。

順調にガレキを取り出して残るは一つ・・・
透明なガラスの破片を取り出しに掛かります。

ガレキの影響で血行が悪くなり腸が壊死し始めて急ぐ必要がありますが、最後の破片は腸の奥深くまで突き刺さっていて一番厄介な破片です。

その時・・・

かろうじてバランスを保っていたガレキの天上が崩れK達が居た空間を押しつぶそうとします。

とっさに子供を突き飛ばして回避させますが、Kは巨大なガレキ(岩盤と言っても良いようなおそらく数トンはある)を背中に受けてかろうじて支えますが・・・

母親はその時の震動のショックでガラスの破片が動脈を突き破って大出血を始めます・・・

「このままでは出血多量でショック死だ・・・・」

で次回に続きます。

このエピソードでKがいつもメスを持ち歩いている事が明らかになりますが、野獣の肉体と野獣の筋力が初披露される記念すべき回です。

Kのマントの中にはその他のアイテムも常備されていますが、それは後のお楽しみです。

他の被害者がいるのかも気になるところですが、そんな事を気にしていてはこのマンガは楽しめませんので考えたら負けです。

とりあえず、ガレキに潰されそうになりながらの決死の手術シーンを素直に楽しみましょう。

posted by しりうすぅ at 15:37| Comment(0) | スーパードクターK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

スーパードクターK 真船一雄 第1巻 カルテ3◆闇の中の手術A

前回からの続きです。

巨大なガレキを背中で支えながら、「ケガはないようだな・・・・」と子供を気遣うK。

子供は大量の出血を見てパニック状態ですが、Kは諦めません。

「あきらめるな・・・・手術続行だ・・・・!!」と子供に言います。

できるわけが無いと泣き喚く子供ですが、こんな状態ではもっともな事です。

Kは巨大なガレキを支えてるので両手は使えません。
さぁどうするのか・・・・

Kは迷わず、「お前がやれ オペの続きを」と子供に言い放ちます。

子供はできっこない、無理だとわめきます。
当然ですね。

しかし、Kは冷静です。
「動脈の出血は勢いがすごい それに腸の組織は非常にもろい ここまで出血量から考えて・・・・ 出血多量のショック死まで あと5分!!」
と診断します。

そして、まずメスを取れと指示しますが、ガレキの直撃でメスがひんまがって使い物にならなくなっています。

「もうママは死ぬんだ――!!」

と子供は絶望的になります。

そこでKはとっさのひらめきで、
「そこの酒ビンを割れ!」
と指示します。
当然ながら子供は理由が分かりません。????状態です。

それでもかまわず「だまって言う通りにしろ――!!」と絶叫気味で指示します。

まぁ理由くらい説明してから指示すれば素直に聞くんだろうと思いますが、そこは無骨なKですから子供の扱いなんて分かりません。

ビンを割ったガラスのかけらをメス代わりにするのが目的だったのでした。

ヘアピンとガラスのかけらを残った酒に浸けて消毒させて、母親の手術再開です。

Kは冷静に指示を出します。

「お母さんの傷口を広げて手を入れろ そしてやぶれた血管をそのヘアピンでとめるんだ!」

素人のしかも子供がいきなりやるには凄くハードルが高い処置です。
子供は吐き気を抑えながらやろうとしますが、やっぱり出来ないと泣き叫びます。

しかしKは「あと3分だ」と現実を冷静に伝えます。
そうです、うろたえてる時間などないのですぅ。
さっさと処置をしなければ確実に死ぬという事を子供に伝えるには冷静になるしかありません。

「死んでしまえば・・・・ただの肉の塊だ!」

と。

Kは動脈の位置などを正確に子供に指示しながら処置をさせていきます。
内臓や血管の位置関係は個人差があり、正確な位置を知ってるのはKだけですが、流石にK一族の医師です。
一度見た内臓の位置関係は完璧に把握しています。

直視しなくとも指示に間違いはなく、見事に血管にヘアピンを挟む事に成功します。
挟んだ後で、完全に止血する為に糸で縛る指示も出します。

止血は何とかなりましたが、大量出血の原因となった残る一つのガレキ除去は忘れてはいけません。

「これからが本番だ!」「今度はガレキを取り除く作業だ」と手術を続行させます。

しかし、血流でながされてしまい、破れた血管の周囲を探させてもガレキは見つかりません。

時間はどんどん過ぎていきます。Kも必死に考えます。
そして・・・腸の一部が変色している事に気づきます。
ガレキの影響で血流が悪くなったせいでしょう。

そこを探させて見事にガレキ除去を完了させます。

本格的な処置は病院で行う事にして、開腹した腹を仮縫いさせます。

終わった頃に崩れたビルのガレキ除去作業が進み、Kが支えていた巨大なガレキも除去されて、救急隊員がK達を発見して母親は搬送されていきます。

ビルのオーナーが礼を言いに現れますが、
「一人死んだぞ」
「手抜き工事でずい分もうけたようだが・・・・」
「その何倍もの賠償金を支払うハメになったな!」
と釘を刺します。

子供はこの救急隊員も驚くほどの完璧な応急処置を乗り越えて、Kに「いい勉強をしたな」と言われて、ヘタレ卒業です。

Kは見返りも求めず颯爽と去っていきました。

これだけの事故なら他にもけが人はいたはずですが、死者が一人だけというのは奇跡に近かったのかもしれません。
医師免許の無い子供が手術をする事は通常なら「医師法違反」ですが、今回のケースは「緊急避難」に当たるので問題ありません。

もっとも、K一族の教えでは「命より重い法などオレは認めぬ」という事なので、

 人を救う為なら法などハナクソも同然

 ですがね・・・

posted by しりうすぅ at 19:41| Comment(0) | スーパードクターK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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