2021年05月07日

スーパードクターK 真船一雄 第1巻 カルテ8◆祝福の号砲

大谷の腕を治療し、安堵したのもつかの間・・・
「ついにKをしとめたぞ!!」
「ぐおっ」
さすがのKAZUYAも銃によるダメージで即応できません

「KAZUYA!!」

「やはり大谷を張っていたのは正解だったぜ!」
「今こそとどめを!!」
橋爪の手下の二人組の漢達は歓喜に湧きますw

KAZUYAも絶体絶命のピンチです。
しかし、そこには大谷がいるのを手下どもは忘れているのでした・・・

とどめを刺そうとして銃を構える黒服の腕をガシッと右腕で掴み、握りつぶす勢いで戦意を喪失させます。
「よくもKAZUYAを!!」
「うぉああああ・・・・」

「てめぇもとったろうかい!!」
角材で殴りかかるもう一人を睨みつけ、治ったばかりの右腕で角材を受け止めへし折ります
この時点で鍛え方が半端じゃないのが分かります。
通常のリハビリの領域を軽く超えるトレーニングをしていたことが伺い知れます。

「このつまんねえ殺し屋どもが!!」
「KAZUYAをねらうやつぁこのオレが・・・・」
と言いながら、殴りかかって来た漢の腕の関節を手際よくキメて、背中側に回し・・・
「ボッキン」
という鈍い音が鳴るまで引き上げますw

おそらく脱臼させてしまったのでしょう。
銃を持った奴らなので、この程度の反撃をしても充分正当防衛になります。

勝てないと悟った漢達は即刻逃げ出します。

「だ・・・・だめだ!!」
「ひとまず引き上げだ・・・・」
やろうと思えば銃を数発撃って仕留める事は可能だったとは思えますが、そこは漫画の演出という事でスルーしましょう。

「手が・・・・握力がもどっている・・・・!?」
ヒットマン達が逃げていった事で冷静になり、無意識に手術で接合した右腕を普通に使えていた事に気づく大谷。

「KAZUYA!!」
「大丈夫か!?」
狙撃されたKAZUYAは倒れたままだが、致命傷は負っていません。
本気を出せば一発喰らった程度ならヒットマンの首をへし折るくらいの余力は充分にあったような気もしますが・・・
大谷に任せて自分の状況確認に努めたように思えます。

「その腕・・・・完治したようだな」
「ああ!お前のおかげだ!!」
「あれだけの格闘ができてバレーができねえわきゃねえよ!」

大谷は右腕にグッと力を込めて完治した右腕の力を改めて実感します。

「そんなことよりケガは!?」
「スマン・・・・体をおこしてくれ」

狙撃のダメージで体を思うように動かせない状態のKAZUYAだが、
「弾丸は筋肉層で止まってはいるが・・・・」
「やっかいな場所に撃ち込まれた」
「脇の下だ・・・・神経が集中している所だけにやっかいだ」
とダメージの自己分析は正確にこなします。

「早く医者に診せた方が・・・・」
と大谷は常識的な事を言いますが、そこはK一族なので常識は通用しませんw

「少々手荒な治療だが・・・・まあ見ていろ」
と言いながら撃たれた方の左腕を真っ直ぐ伸ばし、「むん・・・・!!」と言う掛け声で全身の筋肉に力を入れます。

そしてグバンと腕を体の前面に持ってきます。
これだけ見れば当然何をやっているかは分かりませんが・・・・
アームカバーに仕込んであるメスを取り出し左胸を数センチ切開するとなぜか弾丸が出てくるのでした。

「え!?なんで胸から銃弾が!?撃たれたのは腕なのに・・・・」
大谷も普通の一般人なので、驚きを隠せません。

「脇の下の上腕神経叢にメスを入れるのはさけたかったんでな」
KAZUYAはさもその処置が当然の事のように切開創を縫い合わせながら端的に説明します。



腋窩(脇の下)には血管にそって伸びている複雑な神経の塊(神経叢)があるため麻酔なしでメスを入れるのは危険である
ボディビルダーが各部の筋肉を動かすようにKAZUYAは各部の筋肉を操作し比較的安全な大胸筋に弾丸を移動させたのである


という解説も入るが、それを普通にやってのけるKAZUYAは超人である。

「はあ〜〜おめえってやつはどこまですげえ男なんだ」
と大谷も半ば呆れながらも感心しています。

「これくらいできなくてはオレの家系では一人前として認められなかった・・・・」
とつぶやくKAZUYAの表情にはK一族の闇の部分も垣間見えます。

「オレ ソウルへいくよ!」
「かならず見にきてくれよな」

「ああいくさ」
「必ずな・・・・」

この短い会話だけでも信頼しあってる事が分かります。

時は流れて・・・・スポーツ新聞には大谷の動向が掲載されます。
「大谷全日本復帰!」
「かつてのエースに温情か!?」
「球拾いが精一杯?」
「一応復帰だが・・・・」
「右腕全快したか?」
という見出しからも世間からは現役復帰が絶望的に見られている事が分かります。
右腕切断した選手が復帰できるとは思わないのも無理はないので、極めて常識的な反応です。

「役立たずじゃしようがないんだぞ!!」
「選考委員は何を考えているんだ!?」
「大谷がもどってくるらしいが・・・・」
「まあ引退前の最後の花道って感じじゃないスかねえ」

と選手たちも本気で期待はしていない様子。


ソウル五輪開幕!!


「日本敗色濃厚です!!」
「第三セット6−13! ソ連に防戦一方に追いつめられました!」
男子バレーボール決勝戦で実況が絶望的な状況を伝えますが、決勝戦まで大谷無しでも行けるのを見ると、実力が決して低い訳ではないのが分かります。

「あっと・・・・ここでメンバーチェンジですが・・・・」
「お・・・・大谷です!! あの大谷が決勝のコートに立ちます!!」
「半年前に右腕切断という大ケガをした大谷定久です」

メンバーチェンジでついに大谷の登場ですが、選手たちも大谷の右腕を完全に信じる事はできない様子。
(大谷・・・・ オレ達はこの大舞台でお前の右腕を信用していいのか・・?)

「一応決勝戦まで温存という形にはなりましたが・・・・」
「かつてのエースへの最後のはなむけというところでしょうか!?」
実況も大谷の完治は半信半疑だが・・・

(たのむぞオレの右腕・・・・通用してくれよ!!)
大谷も右腕に念じて力を込めます。

「さあソビエトのサーブ!!」
「とにかく一応上げてみるか・・・・」
チームメイトも期待はしていないが、一度くらいは花を持たせる感じで大谷にパスを回します。

「大谷が跳んだ・・・・」
飛んだと同時にスパイクを打ちソビエト勢は全く反応できずにボールを見逃します。
「お 大谷 お前・・・・」
「いける・・・・いけるぞ!!」

「あ・・・・こ これはいったい・・・・」
実況も唖然として言葉が出ません。

「信じられません・・・・!」
「あの大谷が決めました・・・・!」
「半年前 バレー選手の命の右腕を切断した男が決勝のコートでスパイクを決めましたあ!!」

「とるぜ!金メダル!!」
「オ・・オウ!!」
実況もチームメイトもこのスパイクで大谷の全快を認識し、勢いが付きます。

「さあがぜん勢いがついてきた日本!!」
「また決まったあ!! また大谷です!!」

次々と決めてソビエト勢は全く反撃できません。
「なんて迫力・・・・」「まるで見えない・・・・」

「大谷 ソ連を圧倒しています!!」
「大谷が・・・・」「大谷が試合の流れを変えましたァ!!」

と大谷の活躍だけに目が行くかと思うが、期待を裏切らないのがKですw
橋爪達もKAZUYAを仕留める為に会場に乗り込んでいるのです。

「Kはかならずこの会場のどこかにいる・・・・」
「大谷が活躍するこの会場が最後のてがかりだ・・・・」
「これをのがしたらもうチャンスはない」
「Kをさがせ!!」
相変わらず殺る気満々の橋爪!!

「お聞き下さい! 日本の大応援団のこの大谷コールを・・・・!!」
「場内騒然!大谷コールがこだまします!!」
「第五セット 14−6(日本−ソ連)! 日本大逆転!!」
「いよいよマッチポイント! 日本 金メダルへ王手だぁ!!」

沸き立つ会場とは裏腹に、KAZUYAは不穏な気配を感じ取ります
見回すと観客に混じって橋爪の刺客どもがあちこちに配置されています。

「拾ったー!! 動きも見違えるようです!!」
「チャンスボールだ!!日本!!」
「よし 上げろー!!」
「いけぇー 大谷ィ!!」

大谷は上げられたボールにスパイクを打つべく跳び出します。
「見てろよKAZUYA」

KAZUYAはその活躍を見ながら、静かに去る事を決意します。
(大谷・・・・見事だ立派だったぞ)

「上がったーこれが祝砲となるか!?」
(だが・・オレはお前に祝福の握手すらしてやれぬ ここにもやつらの手がのびてきたらしい・・・・)
(さらばだ 大谷・・・・)
KAZUYAは勝利の瞬間を見ることも無く、大谷に背を向け去っていくのでした。

(つらかったリハビリにも 周囲の冷たい視線に耐えてきたのも・・・・)
(すべてはこのために・・・・)
(この一瞬のために・・・・)
(かけてきたんだ!!)

「決まったーーー!!」
「日本 逆転優勝」

ビシッと大谷のスパイクが決まり、日本の逆転優勝!!
(よかった・・・・今まであきらめないでよかった・・・・)
(よく治ってくれた・・・・オレの右腕)
(KAZUYAお前のおかげだ・・・・)

右腕への労りとKAZUYAへの感謝を思いながら観客席を見るが・・・
「KAZUYA!?」
「いない・・・・」
既に姿を消しているのであった。

「いやあ大谷くん!よくやってくれた!!」
「さすがだ大谷くん!!」
「我々は君を信じていたんだ!!」
「腕の一本や二本くらいでは立派に立ち直ってくれると思っていたんだよ!!」
「君は日本の誇りだ!」
「国民栄誉賞まちがいなしだよ!!」
手のひらを返して寄ってくるお偉方だが・・・そんな言葉に耳を貸すわけもなく

「オレは国のためやあんたらのメンツを立てるためにやったんじゃない」
「自分のためにやったんだ!!」
と言い放つ大谷。

(なあそうだろうKAZUYA・・)
「さあいよいよ表彰式です!!」
「まさに奇跡といっていいでしょう!!」
「ここ数年の男子バレーの低迷をふきとばしたのは なんと片腕を切断した選手でした!」
「おめでとう大谷定久選手!!」

その実況を聞くことも無く、既に飛行機に乗り込んでいたKAZUYAであった。

(KAZUYAお前がくれた金メダルだぜ・・・・)
一番の功労者がKAZUYAだが、それを誰にも公表できない事を己の胸の内にとどめる大谷であった。

これで第1巻 完ですが、今後のKAZUYAのスタンスを読者に認識させる良いヒキになっているのは流石です。

 

posted by しりうすぅ at 20:36| Comment(0) | スーパードクターK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月23日

スーパードクターK 真船一雄 第1巻 カルテ7◆復活への闘志

手術室にて前回からの続き。

「大谷!」
「オレがもう一度バレーボールができる体にしてやる!」

というKの決意表明から始まります。

逆巻助教授は城南大にやってきた事を喜んでいますw

橋爪はいかにもヤクザ風の黒服・サングラスの漢達を招集し、K抹殺に向けて動き出します

手術室ではそんな事はどうでも良い風に淡々と手術が始まります。

「念のため輸血を準備しろ!!」
「右前腕部接合術!」
「切断肢をこっちによこせ!」

とKは的確に指示を出しながら手術準備を始めます。

他の医師達は
「しかし・・・・見れば見るほどひどい・・・・やっぱり切断術に切りかえた方がいいんでは・・・・」
と接合を諦めていますが、

Kは接合手術に微塵の迷いもありません。
「この男はバレーボールなしでは生きられぬ男だ」
「よって・・・・バレー選手として必要な筋肉 腱 及び神経を最優先に接合する!」
と術式を説明します。

実際の接合術でも細い腱の場合は全ての腱を繋がなくとも、同じような働きをする太い腱がありますので、必ずしも全ての腱を繋ぐ必要は無いとされますので、スピードを優先する場合には適切とも言えます。

術式を説明しても他の医師達は押しつぶされてぐちゃぐちゃになった患部を見ていますので、

「かといっても・・・・どれがどの腱なのかさっぱり分からん!!」
「バレーなんかできるようになるわきゃないじゃないか!!」

と接合が不可能であるという主張を曲げません。
これも普通の医師なら無理からぬ事です。




前腕部は骨が尺骨と橈骨とに別れていて接合がそれだけ困難になる
特に指先に指令を送る腱が複雑に入りくみ集中している場所・・・・それが前腕部なのだ


と解説も入ります。

Kはそんな他の医師達のたわごとには耳をかさずに、黙って見ていろと言い放ち手術を開始します。

駆血帯で腕を締め付けて出血を抑えて骨を金属プレートとネジで止めていきます。

骨を繋げたら、指の先までを曲げる重要な筋肉である深指屈筋を接合し、次は指先のデリケートな動きを可能にする、指の第二関節までを曲げる浅指屈筋接合、次は長母指伸筋接合・・・

潰れてる筋肉、腱をなんのハンデにもなっていないかのごとく全ての腱がどの腱なのかを正確に判別して繋いでいきます

そうしてバレー選手に必要な腱どころか全部つないで他の医師が奇跡と言わしめるほどの腕前で接合術を終わります。

「い・・いったいどこを縫合したのか 全然わからなくなってしまったぞ・・・・」
「バレー選手に必要な腱どころか・・・・全部繋いでしまったじゃないか!!」

と他の医師は感嘆しまくりです。

手術が終わってしばらくしてから・・・
橋爪達が乗り込んできます。

「病院の出入り口はすべて封鎖しろ!」
「Kをこの病院から一歩も外へだすな!!」

「弾丸を点検しておけ!」
「やつをあなどるなよ!!」

「追いつめたらオレに連絡しろ!」
「とどめはオレがさす!!」

橋爪も殺る気満々ですw

しかし・・・

逆巻にKの居所を聞いた橋爪は肩透かしを食います。

Kは橋爪達が駆けつける二時間ほどの間に切断肢の接合術を完璧に終えていたのでした。

「やつは大谷とかいうバレー選手の切断した腕の接合術をしているのだろうが!?」
「切断肢の接合術が二時間やそこらでできるわけが・・・・」

逆巻に掴み掛かりながらも、Kが神業のメスをふるう事を失念していた事に橋爪も気付きます。

手術によって腕が繋がった大谷のもとにはオリンピック強化委員のおっさんどもが駆けつけます。
見舞いではなく、自分らの利益しか目に無いオヤジどもです。

大谷が手術が完璧に終わったと説明しても、バレーが元どおりに出来るとは全く思っていない口ぶりで怒鳴り付けて出て行っただけなのでした・・・

「活躍している時はちやほやしてケガしたとたんこのザマだ」

と大谷も呆れています。

しかし、「五輪まであと4か月だってのに・・本当にオレはまたバレーができるのか?」と自信がある訳でもありません。



一ヶ月経った頃にようやくギプスが取れます

そこへKから小包が届きます。

見舞いの品かと思って箱を開けてみるのでしたが、中身は手紙と古雑誌といくつかのボールのみという訳の分からない品物。

手紙にはそれを使ってのリハビリを指示する内容が書かれており、それをこなせば必ずバレーができるようになると書かれていました。

内容物
1、ソフトボール大のスポンジボール
2、1よりやや小さいスポンジボール
3、空気を抜いた軟式テニスボール
4、普通の軟式テニスボール
5、硬式のテニスボール
番号順にだんだん空気圧が高く、大きさが小さくなっているボールです。

ギプスが取れて最初の一週間
1のボールを一分一秒たりとも手から離さず一日500回以上は力を入れて握り続ける

次は送った古雑誌をつかむ練習
一日500回以上!
あくまで指をのばしたまま握る事
その本も徐々に本を薄く重さを増していくこと


大谷もその意味が分からないながらもリハビリを始めるのでした。

しかし、一度切断された腕の握力はほぼゼロになっており、第一段階の一番でかくてやわらかいボールも握れません

そんな自分の腕の状況に落ち込んでるところへ、助けられた子供が見舞いに来ます。
大怪我をさせた事を謝る子供でしたが、無事にくっついた腕をみて安心するのでした。

そして、大谷も「オレのやったことはまちがっちゃいなかったな」と立ち直ります。

Kは医療漫画ではありますが、手術描写だけでなく、このような心理描写も秀逸です。

絶対復活してみせると助けた子供に誓う大谷でしたが、オリンピック強化委員のオヤジどもは単調な訓練を繰り返す大谷を見て他の選手を見つけなくてはと頭を抱えます・・・

そして二ヵ月後全ての段階のリハビリを終えた腕をみて、理学療法士も

「切断してからまだ二ヶ月だっていうのにこれほど握力の回復が早い人ははじめてみますよ!!」
「その証拠にほら・・・・」
「指を曲げて指先がてのひらにつくというのは切断した人にとってはすごいことなんですよ!!」

とKの指示したリハビリは特別なリハビリをしたのかと専門家が驚くほどの驚愕の効果をあげたのでした。

しかし、切断した方の腕は腫れており、四六時中患部がうずくという完治とは言えない自覚症状があるのでした。

そこにKが現れます。

大谷の回復ぶりを見て、「オレの指示は守ってきたようだな」とつぶやきます。

「なあ!これは握力を増すためのトレーニングなんだろ?」

と大谷が聞きます。

「正確にはボールを握ることによって、そして指をのばして本をつかむことによって屈筋を鍛えるためだ!」

と説明します。

大谷は握力の回復は実感するものの、しびれがあり、腫れて重苦しい腕では魂の入ったスパイクは打てねぇ・・・・
このままじゃダメなんだ!!

とKに訴えます。

Kは「そんなことだろうと思ってな今日はそれを治しにきたんだ」と腕を繋いだだけでは完治しない事を見越していたのでした。

「その腕のしびれは切れた神経がうまくつながっていない証拠なんだ、そのつなぎ目のパルス(震動)を今とってやろう」

と???な説明をします。

腕のつなぎ目を両手で掴み

「わかる わかるぞ 神経のパルス(電気刺激でおきる拍動)を感じる・・」

神経のつなぎ目が正常ではない・・・・
異常放電が起きている・・・・

人間の体からはいつもある程度の電気が放電されている
Kはこれを利用してパルスを正常にしようとしたのだ――

この辺の説明と治療はK一族の秘術のようなものです。
人間の体の全てを知り、自分の能力を全て引き出せるK一族だからこそ出来る技です。

そうして、治療が終わり、大谷の腕は完治したのでした。

そこへ一発の銃声が・・・

Kが狙撃されたのでした。

病院を張っていた橋爪達の仕業です。

以下、次回に続く。

これは良いヒキで終わっています。
このような上手な展開は昨今の漫画にはあまりありません。
人気があれば作者が安心しきって、ダラダラ続くというような緊張感の無い展開にはうんざりします。

posted by しりうすぅ at 23:05| Comment(1) | スーパードクターK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月08日

スーパードクターK 真船一雄 第1巻 カルテ6◆五輪に賭けた右腕

新日本バレーボール男子リーグを観戦するマントの男
傍目からは完全に不審者ですw

東フィルム所属の大谷選手がスパイクを決めて完全優勝を決めます。

「決まった――!!ゲームセット東フィルム完全優勝――!!」

と実況も熱が入っています。

人気 実力ともにNo.1 大谷定久 彼がいればオリンピックでもメダルが確実

日本が久々に世界にほこるエース・アタッカー大谷定久!!

と評価も非常に高い選手です。

応援の女の子達の騒ぎぶりも凄い様子。
どんなスポーツでもそうですが、ルールなんか何も分かってない選手個人のファンでもいるだけで盛り上がるので実にありがたい存在です。

高見の見物をしている五輪強化委員のオヤジどもも一安心の様子。

そんな女の子達の相手をしながら、大谷がマント姿のKを見つけます。

肩を掴んで、

「KAZUYAじゃねぇか!!」

と会えた事を喜んでいます。

「お前の勇姿を一目・・・・見ておこうと思ってな・・・・」

とKも意味深な事を言っています。

大谷とは親友だったようで、Kが表社会から消えた当時の事も知っているようです。

「しかし・・・・心配したぜ 突然 姿をくらますなんて・・・・しかも このオレに一言もなしでなんてよォ!」

と消えた当時から心配していたようです。

Kのオヤジが死んでいる事も大谷との会話で初めて明らかにされますが、深い事情までは現時点では不明です。

大谷は当然のようにどこの病院に勤務しているかを聞いていますが、

「いろいろあってな・・・・表立って医療活動ができぬのだ・・・・」

と、あまり事情を言いたくないような感じでKが話しはじめます。

大谷もそれに疑問を持って「なぜ!?」と聞き返しますが、すぐに追っ手が掛かり、

「オレの移植術のウデをねらってな・・・・ハイエナ共が群がってくる・・・・」

と裏社会で臓器移植のプロフェッショナルという評判が知れて自分の延命の為に群がる患者はハイエナでしかないと迷惑気に事情を話し始めます。

大谷も城南大の大河内学長の心臓移植の噂を聞いていたようで、Kもそれについて説明をします。

「手術とは関係なく結果的に大河内は死んだ」

と重要な事は端折っていますが、救命処置をしなかったKは結果的に殺したも同然です。

そして、城南大系列のとりまき連中はKを殺す為に血眼になって探してるという事情も語ります。

「この日本にはオレのオペの腕どころか 命までもねらってる連中がわんさかといるわけだ・・・・」

と。

城南大では橋爪が殺意を露わにしてKを探してる様子が描かれます。

「大河内学長を殺し・・・・我が城南大の権威を著しくおとしめたやつを・・・・Kを殺せ!!」

と怒り心頭の様子です。

大谷は昔からてめえのことはてめえでケリをつけてきた男だとKを理解していますので、もう何も聞かないと言って、事情も察して別れます。

Kは「ケガでもしたらオレを呼べ治してやるぞ」と軽い口約束を交わします。

大谷は「一生おめえの世話なんかにゃならねぇさ!」と自身ありげにこたえます。

大谷は城南大には情報網も無数にあり、どんなものでも意のままにしなくては済まない城南財閥がついているので、やつらの目をかいくぐるのは難しいと非常に心配な様子で見送ります。

なぜそんな裏事情に詳しいのかという突っ込みは無しで。

オリンピックに出る決意を強くし、線路脇をの道をランニングする大谷でしたが・・・

線路脇のフェンスに集まって何か騒いでる人がいるのに気づき声を掛けたのが・・・

向こう側の土手からすべり落ちた子供が線路に横たわり、電車が来ているのが見えます。

大谷はとっさにフェンスを飛び越えて子供を助けに向かいます。

「な・・・・なんだ!?すげえジャンプ力・・・・!!」
「あれは・・・・バレーの大谷だ・・・・!!」

と集まっていた人達もすぐに気づきます。

そして、子供を助けるのに成功し・・・

「や やった!」
「間一髪・・・・さすが運動選手・・・・」

と驚きと感動の声があがります・・・

しかし、フェンスに何かが飛んできてぶつかります。

それは・・・

ちぎれた大谷の右腕なのでした。
間一髪電車に轢かれずに済んだものの、その代償はあまりにも大きいものとなりました。

大谷の脳裏にもそれを伝える新聞記事の見出しが浮かびます。

それを知った五輪強化委員も大谷ぬきではメダル取り計画も絶望と頭を抱えてしまいます。



城南大付属病院に運ばれた大谷でしたが、集まった形成外科医達は切断された腕を見て切断面があまりにも酷すぎて、たとえ接合しても役に立たないと匙を投げます。

腕の筋肉は

手首を背屈する筋、親指を背屈する筋、指 手首を伸ばす筋、手首を掌屈する筋、指を曲げる筋

背屈・・・手指を甲側に曲げる事
掌屈・・・手指を掌側に曲げる事

と複雑に組み合わさって構成されているので、ちぎれた場合は接合が複雑になり難しい事の説明がされます。

大谷も

「ヘヘヘ・・・・これでオレのバレー人生も終わりってわけか・・・・」

と完全に諦めてしまいます。


しかし、そこに現れたのがKでした。
どこでそんな情報を得たのか非常に不思議なのですがw
事故から数時間も経ってないのにどこの病院に運ばれたのかも把握しているとはただ者ではありません。

流石は裏の医師。
独自の情報網もしっかりしているようです。

しかし、そこにはKを知ってる逆巻助教授もいたのでした。
そう、Kに殺された(そう思い込んでる)大河内学長の元主治医です。

血相変えて連絡したのは言うまでも無く、橋爪です。

大谷は

「ここは城南グループの病院だぞ?とっとと逃げろ・・・・!!」
「早く!!」
「おめえは追われてんだろ・・オレなんかの手術をしたら・・・」

と言いますが、Kはそんな事は気にしません。

他の医師は切断面が酷すぎて接合してもハシも持てないと完全に諦めているのですが。

「もう一度バレーができる体にしてやる」
「オレを信じろ!!」

と自身ありげに宣言します。


逆巻助教授は橋爪に急いで連絡します。

「Kがまたこの城南大に現れたんです!!」

「そこにいる?また城南大に顔を出すとは何を血迷ったか・・・・」

橋爪にとっては宿敵のKが城南大に現れたのは飛んで火にいる夏の虫という感じです。

橋爪は足止めを指示します。
橋爪の左頬はKに殴り砕かれた際に手術した傷跡があります。

「フフフフやっと見つけたぞ・・・・しかも我々のふところに飛び込んでくるとはいい度胸だ!」
「大河内学長とこの顔のキズのカリ・・・・きっちりと返してやる・・・・」
「Kめ・・・・きさまの頭に風穴をあけてくれるわ!!」

とカリを返すどころか殺す気満々で銃を舐めながら喜んでいる真性のサドです。

以下、次回に続く。

切断四肢再接合術はもちろん保険適用手術です。
腕や足は144,680点なので、1,446,800円 三割負担なら434,040円です。

保険点数の計算法は点数×10円×負担割合ですので、

144,680×10×30%=434,040

となります。
しかし面倒なので、医療事務の現場では

144,680×3=434,040

と計算するのが普通のようです。

高額療養費制度が利用できますので、実際の負担額はかなり抑えられます。
高額療養費給付を受けるには自己負担額を一度払わなければなりませんが、その金を用意できない場合は後ほど還付される高額療養費を担保として融資を受けられる貸付制度初めから還付額を見越した自己負担限度額のみの支払いにする委任払制度が利用できる場合もあります。

四肢切断の応急処置

事故などで四肢切断が起こった場合、損傷した部分からの出血が酷い場合はきれいな布などで止血の為に切断面を強く圧迫して止血を試みます。

紐などで縛って止血を試みるのは動脈出血を止められない上に、うっ血させる事で静脈出血を増やしてしまうので、推奨されません。

出血を少なくする為に、腕や足の根元を縛るという俗説がありますが、傷口の上部を縛るのは毒蛇に噛まれた時の応急処置であり、混同されたもののようです。

止血の際は傷口を押さえるのが基本です。
切断以外のケガではあまり強く押さえては痛い上に止血効果がありませんので、優しく抑えて止血を図りましょう
強く押さえすぎると傷口に集まった血小板の効果が弱くなりますので、注意すべき事です。

採血の際に静脈を浮き出させる為に縛ったりしますが、それと同じ理屈で、縛るとうっ血して縛られた血管内の血圧が上がってしまい、止血の為に集まった血小板も流されてしまうのです。

切断面が綺麗に切れていて、再接合手術が出来そうな場合は切断された四肢をビニール袋のような水を通さない袋に入れて、氷を浮かべた水で冷やしながらすぐに病院に運びましょう。

直接水に入れたり、氷だけで冷やすのは組織の壊死や雑菌の感染などの恐れがありますので、絶対にしてはいけません。


泥や砂が付いている場合は感染症で接合が不可能になる恐れがありますので、水道水で洗い流して運ぶのがベストです。
ただし、石鹸を使ったり切断面をこすってはいけません。

当然ながら、切断四肢には血液が通いませんので、切れた瞬間から細胞の壊死が始まります。
四肢の保存状態にもよりますが、切断から6時間から12時間以内なら接合が可能と言われています。
12時間以上経ってから接合に成功した例もありますが、なるべく早く接合した方が成功率が高いのは言うまでもありません。

posted by しりうすぅ at 22:24| Comment(0) | スーパードクターK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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